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要介護5とは?要介護4との違いや受けられる給付金・サービスを解説

要介護5とは?要介護4との違いや受けられる給付金・サービスを解説

「要介護5とは、どのような感じなのだろう?要介護4と何が違うの?」

「介護にかかるお金はもらえる?どんなサービスが使えるの?」

などとお悩みではありませんか。

要介護5は介護がなければ生活できないほど重度の状態を表します。

介護保険サービスを利用できたとしても、1カ月に支払う金額が高くなってしまうのではと不安も感じるでしょう。

今回は要介護5の状態や要介護4との違い、費用負担を抑えられる給付金制度、受けられるサービスを解説します。ぜひ最後までご覧ください。

関連記事:要介護認定とは?要支援と要介護の違いや認定の申請方法について紹介

 

要介護5とは「要介護度」の中で最も症状の重い状態

要介護5とは「要介護度」の中で最も症状の重い状態要介護5は要介護度の中でも介護がなければ生活できないほど、重度の状態を指します。

要介護度は自立状態・要支援1~2・要介護1~5の8段階があり、とくに介護を必要とするのが要介護5です。

要介護5の状態になる原因には脳卒中や認知症などがあります。

脳卒中の後遺症や認知症の進行による症状の例は、以下のとおりです。

  • ✓立ち上がって歩けない
  • ✓ベッドから起き上がれず寝たきり
  • ✓食事を自分でとれない
  • ✓理解力や意欲の低下が著しい

要介護5の認定基準

要介護5は、要介護認定等基準時間が110分以上に該当すると判断された場合に認定されます。

要介護認定等基準時間とは、1日の中で介護に必要な時間の目安を「分」で表したものです。

ちなみに認定された時間は、実際の介護に必要な時間を示すものではありません。あくまでも認定する際の基準となるものです。

介護認定は2回判定が行われます。

一次判定では認定調査と主治医の意見書の情報をもとに、機械で要介護認定等基準時間を算出。

二次判定では自治体の専門職員や委託を受けたケアマネージャーなどと介護認定審査会がひらかれ、一次判定の情報をもとに話し合いで介護の区分を変更します。

要介護5から要介護4以下へ回復するのは厳しい

要介護5は身体症状が重く、要介護4以下まで回復するのは厳しいでしょう。

要介護度の段階を下げるには、寝たきりの状態を改善する必要があります。そのためには家族や専門スタッフによるサポートも重要になりますが、本人の意欲も大切です。

しかし高齢者は寝たきり状態が続くと体力が落ちていき、意欲も低下していくため「がんばって改善しよう」と思えるとは限りません。

また寝たきりではなくとも重度の認知症の場合も、今の医学では根本的に認知症を治す方法がないため要介護度を下げるのは厳しいでしょう。

関連記事:要介護4とは?要介護3・5との違いや受けられる給付金・サービスを解説

要介護5は一人暮らしや在宅介護は無理

要介護5は自力でできることが、ほぼない状態です。そのため一人暮らしをするのは難しいでしょう。

また毎日24時間の介護が必要なため、在宅での介護は家族の負担が大きくなりがちです。さらに経管栄養や酸素療法などが必要になると、専門的な施設での医療ケアが欠かせません。

一人暮らしや在宅での介護は難しくなるため、多くの方が介護施設で生活しているのが現状です。

関連記事:【老人性うつ】一人暮らしは要注意?特徴や発症・悪化を防ぐ方法とは

 

要介護4と要介護5の違い

要介護4と要介護5の違い

要介護4と要介護5はどちらも自分だけでできることが少なく、誰かの手を借りなければ生活していけない状態です。

それぞれの違いを下表にまとめました。

等級別 要介護認定等基準時間 身体の状態
要介護4 90分以上110分未満
  • ✓食事やトイレ、服の着替えなど生活のほとんどに介助が必要
  • ✓介助なしで立ち上がったり歩いたりできない
  • ✓寝たきりの状態に近い
  • ✓全般的に理解力が低下
  • ✓意思疎通が難しい
  • ✓徘徊・妄想・誤食などの問題行動のリスクがある
要介護5 110分以上
  • ✓すべてにおいて介助が必要
  • ✓立ち姿勢を保てない
  • ✓ほとんど寝たきり
  • ✓筋力が低下し食事をスムーズにとれない
  • ✓意思の疎通がほぼ不可能
  • ✓全般的な理解力が低下
  • ✓妄想・誤食などのリスクがある

要介護4は介助があれば自分でできることもあります。

しかし要介護5では全体的に介助が必要で、昼夜を問わず身の回りの世話をしてもらわなければ生活できない状態です。

自分で体を動かすのは難しいため、徘徊のリスクは要介護4よりも低くなります。

関連記事:要介護4とは?要介護3・5との違いや受けられる給付金・サービスを解説

 

要介護5で受けられる給付金制度

要介護5で受けられる給付金制度要介護5は介護度が高いと認定されているため、介護サービスを利用する回数が増え費用も高額になりやすいでしょう。

要介護5になると現状からの回復は厳しいことから、長期間にわたって介護サービス費を支払うことも予想されます。そのため費用に関する不安や疑問を抱える方も多いはずです。

しかし以下のような給付金制度を活用すると負担額を一定額に抑えられます。

  • ✓介護保険制度
  • ✓高額介護サービス費制度

それぞれの給付金制度を解説します。

介護保険でもらえるお金の限度額

介護保険制度でもらえるお金の限度額は、要介護度ごとに区分支給限度基準額が設定されています。
下表のとおり要介護5では、1カ月362,170円が限度額です。
(介護報酬の1単位を10円として計算したもの。なお区分支給限度基準額は、介護サービスや地域間差を考慮して10~11.40円と幅があります)

介護度 限度額(1カ月あたり)
要支援1 50,320円
要支援2 105,310円
要介護1 167,650円
要介護2 197,050円
要介護3 270,480円
要介護4 309,380円
要介護5 362,170円

参考:厚生労働省「2019年度介護報酬改定について

所得に応じて限度額の1~3割の自己負担で介護サービスの利用が可能です。ほとんどの高齢者は1割負担が適用されるでしょう。

具体的な自己負担の額は地域によって異なりますが、要介護5で1割負担と認定されている場合の支払う金額の目安は36,217円です。

ただし限度額以上の介護サービスを利用した場合の超過費用は、すべて自分で負担しなければいけません。

高額介護サービス費は負担額が多いときに払い戻される

高額介護サービス費制度とは、介護サービスの負担額が大きかった際に払い戻される制度です。負担額の上限は所得に応じて定められています。

一般的な所得であれば月額44,000円が負担の上限額です。つまり44,000円より払い過ぎた分は還付されます。

ちなみに高額介護サービス費の所得基準や負担限度額は、2021年8月から下表のように高所得者分が新設されました。

引用元:厚生労働省「令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担限度額が見直されます

 

要介護5で受けられる介護サービス

要介護5で受けられる介護サービス要介護5で受けられる介護サービスは、以下のとおりです。

  • ✓訪問サービス
  • ✓通所サービス
  • ✓施設入所サービス
  • ✓その他サービス

 

要介護5になると食事やおむつの交換だけではなく、寝返りをするにも介助が必要です。

そのため担当のケアマネージャーから施設入所の申し込みを提案される方も多いでしょう。仮に在宅介護の場合でも訪問や通所サービスのサポートは欠かせません

訪問サービス

訪問サービスは自宅に居ながら専門スタッフによるサービスを受けられます。

受けられる主なサービスは以下のとおりです。

  • ✓訪問介護
  • ✓訪問入浴介護
  • ✓訪問看護
  • ✓訪問リハビリテーション

 

訪問介護では専門のスタッフが自宅で食事や入浴、洗濯、掃除などを行ってくれます。

また床ずれの処置や点滴などの看護ケアを専門に行う訪問看護もあり、医療行為を行えない訪問介護と組み合わせての利用も可能です。

夜間におむつ交換や安否確認などの対応をしてくれるサービスもあります。

施設通所サービス

施設通所サービスは専門の施設に日帰りで通ってサービスを受けます。

主なサービスは以下のとおりです。

  • ✓通所介護(デイサービス)
  • ✓通所リハビリテーション(デイケア)
  • ✓療養通所介護
  • ✓認知症対応型通所介護
  • ✓地域密着型通所介護

 

施設通所サービスでは、介護や機能訓練などの専門施設へ定期的に通ってサービスを受けられます。ケアプランによっては、デイサービスと呼ばれる通所介護のみを毎日利用することも可能です。

また通所サービスは、施設のスタッフが車で送迎してくれる場合もあります。寝たきりの状態でも適切に対応してもらえるため、利用しやすいでしょう。

施設入所サービス

施設入所サービスでは、自宅から専門の施設へ移り住んで介護サービスを受けます。

主に以下のような施設を利用する方が多いでしょう。

  • ✓特別養護老人ホーム
  • ✓有料老人ホーム、軽費老人ホームなど
  • ✓介護老人保健施設
  • ✓介護療養型医療施設
  • ✓介護医療院

 

要介護5は在宅で介護するのは難しく、同居の家族も介護による疲れやストレスを抱えてしまいかねません。

手厚い介護や医療ケアを受けられる施設へ移り住むことで、本人や家族の健康を守れます

また要介護5の認定を受けていると、優先的に特別養護老人ホームに入所可能です。

その他サービス

要介護5で使えるサービスは他にもあります。

主に以下のサービスがありますので、担当のケアマネージャーと相談しながら利用しましょう。

  • ✓短期入所生活介護(ショートステイ)
  • ✓認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  • ✓福祉用具レンタル
  • ✓特定福祉用具の購入

 

短期間のみ施設に宿泊できるショートステイや、小規模な施設のグループホームなどへの入所も可能です。

また介護ベッドや床ずれ防止用具などのレンタル、腰掛便座や入浴補助用具などの購入も、介護サービスが適用されます。

関連記事:介護老人福祉施設とは?入所方法や費用、メリットデメリットを解説!

関連記事:老人ホームの入居費用はいくら?タイプ別の費用相場と払えない時の対処法

要介護5の方が多く利用している施設

要介護5の方が多く利用している施設要介護5は常に介護が必要となるため、施設入所サービスを利用する方が多い状況です。

厚生労働省が発表している資料によると要介護5の施設サービス利用者のほとんどが、特別養護老人ホームを利用しているという結果があります。

参考:厚生労働省「介護保険事業状況報告(暫定)令和4年10月分

特別養護老人ホームは公的施設のため費用負担を抑えてサービスを受けられることや、要介護5の方が優先的に入所できることから利用希望者が多い状態です。

しかし利用希望者が多いと入所待ちの期間が長くなってしまい「すぐに利用したい」と思っても、希望どおりに入所できないことがあるでしょう。

関連記事:【表で解説】老人ホームの種類と違い!選び方のコツや費用を紹介!

 

要介護5の方には民間の介護施設もおすすめ

要介護5の方には民間の介護施設もおすすめ要介護5と認定されたら民間の介護付き有料老人ホームの利用がおすすめです。

公的施設よりも入所待ち期間が短い施設や、医療ケアを受けられる施設もあります。

民間の介護施設は、特別養護老人ホームよりも「費用負担が増えるのでは?」と感じる方もいるかもしれません。

しかし介護保険給付や高額介護サービス費が適用されるため、自己負担額を抑えられます。

介護付き有料老人ホームのおすすめのポイントを解説しましょう。

関連記事:有料老人ホームとは?種類・費用・入居条件についてわかりやすく解説

公共施設に比べて入所待ち期間が短い

民間の介護付き有料老人ホームは施設数が多いため、特別養護老人ホームのように長期間の入所待ちになることは少ないのがメリットです。

介護施設への入所を考え始めたら、興味のある施設へ見学の申し込みや資料請求などをしてみると良いでしょう。

入所までスムーズに進む可能性があります。

介護や医療ケアが充実している

介護付き有料老人ホームは、介護サービスが充実していることや医療ケアを受けられることもおすすめのポイントです。

要介護5は最も症状が重い状態であり介護なしでは生活できません。

介護付き有料老人ホームでは専門のスタッフが、介護度の重さや認知症の症状に合わせて24時間対応してくれます。

また協力医療機関による定期的な訪問診療や、高度な医療ケアを提供できる介護付き有料老人ホームもあるのが魅力です。

 

有料老人ホームをお探しなら有料老人ホームスーパー・コートへどうぞ

介護付き有料老人ホームをお探しなら「スーパー・コート」へどうぞ有料老人ホームスーパー・コートは大阪、兵庫、京都、奈良に有料老人ホームを展開中です。

介護付き有料老人ホームだけでも20施設以上を運営しています。

有料老人ホームスーパー・コートでは24時間の看護や介護職員の常駐体制を整えており、重度認知症の専門フロアを設けている施設もあります。

また医療機関と提携しており充実した医療サービスの提供が可能です。

要介護5の認知症の方、寝たきり状態の方も安心してご入居いただけます。

有料老人ホームスーパー・コートでは施設見学や入所相談などを随時行っております。介護施設をお探しの際は、お気軽にお問い合わせください。

 

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監修者

監修者の写真

花尾 奏一 (はなお そういち)

介護主任、講師

<資格>

介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

<略歴>

有料老人ホームにて10年間介護主任を経験し、その後「イキイキ介護スクール」に異動し講師として6年間勤める。現在は介護福祉士実務者研修や介護職員初任者研修の講師として活動しているかたわら、スーパー・コート社内で行われる介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成や試験官も務めている。