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コラム
「要支援1ではどんなサービスが受けられる？」
「要支援1でも一人暮らしはできる？」
自分や家族が要支援1に認定された方でこのような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
この記事では要支援1で受けられるサービス内容や利用方法、費用を紹介します。
一人暮らしをする際のリスクや入居可能施設も紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
なお要介護認定についての詳細や、介護認定の受け方は下記の関連記事で詳しく説明しています。
関連記事：要介護認定とは？要支援と要介護の違いや認定の申請方法について紹介
目次
要支援1とは「要支援1・2」「要介護1〜5」の7段階に分けられた要介護認定区分の中で最も軽度な状態です。
ここからは要支援1が具体的にどの程度の状態か、また要支援1と2の違いについて紹介します。
厚生労働省によると、要支援1は要介護認定等基準時間（家庭で介護を行った場合1日あたりにかかる時間の目安）が25分以上32分未満の状態と定義されています。
要支援状態とは家事や身支度などの日常生活に支援が必要であり、介護予防サービスを受けることで状態の改善や予防が期待できる状態のこと。
要支援状態の中で要支援1は最も軽度で、歩行や食事、排泄など日常生活の動作はほぼ自分でできます。しかし拭き掃除が困難、買い物で同行が必要など、一部支援や見守りが必要な状態です。
また認知症の診断は受けていないことがほとんどでしょう。
関連記事：要介護1とは？受けられるサービス例や在宅介護と施設介護の費用比較も紹介
要支援2は要支援1より要介護度が進み、身体的機能の低下が見られる状態です。ただし、思考力や理解力に関してはそれほど違いは見られません。
具体例として要支援2になると歩く際に杖が必要になることがある、入浴でに浴槽をまたぐときに手助けが必要など、日常生活の動作に介助の必要性が高まります。
また厚生労働省が定める要介護認定等基準時間も、要支援1の「25分以上32分未満」に対し、要支援2では「32分以上 50分未満」と1日にかかる介護時間が長く定義されています。
要支援2についての詳細は下記の記事をご覧ください。
関連記事：要支援2とは？サービスの種類や在宅介護と施設入居の費用比較も紹介
関連記事：要介護2とは？要介護1・3との違いと受けられるサービスや入所できる施設を紹介
要支援1の認定を受けると、状態の悪化防止や維持、改善を目的とした介護予防サービスを受けられます。
介護予防サービスは大きく分けると下記の3種類です。
自宅で受けられる介護予防サービスは下記のとおりです。
| 訪問看護 | 自宅に看護師などが来訪し、病気や障害に応じた看護を行う |
| 訪問リハビリテーション | 理学療法士などが来訪し、心身機能の維持のためのリハビリを行う |
| 訪問入浴 | 自宅に風呂がない場合や施設入浴を断られる事情がある場合に、簡易浴槽で入浴介助を受けらる |
訪問看護に関して具体的には、病気や怪我の悪化防止や点滴・注射などの医療処置、食事・入浴・排泄などの生活サポートを行います。
サービスの利用対象は介護認定を受けた方に対してのみで、同居家族に対しては行われませんのであらかじめ理解しておきましょう。
施設への通所・宿泊で受けられる介護予防サービスは下記のとおりです。
| 通所リハビリテーション（デイケア） | 心身機能の維持や回復を目的としたリハビリを、日帰りで病院や介護施設などで受けられる |
| 短期入所生活介護（ショートステイ） | 介護老人福祉施設などに短期入所し、入浴や食事など日常生活の支援や機能訓練を受けられる |
| 短期入所療養介護（医療型ショートステイ） | 短期入所生活介護の機能訓練に加え、医師や看護師による医療的ケアも受けられる |
短期入所生活介護は要支援認定を受けた利用者の状態が悪化しないよう支援することだけでなく、自宅で介護をする家族の身体的・精神的負担軽減も目的としています。
「食事や家事の支援に疲れた」「介護や身も守りで外出ができない」などストレスを感じている介護者の方はケアマネージャーに相談しましょう。
その他の介護予防サービスは下記のとおりです。
| 福祉用具貸与 | 自宅で自立した日常生活を送れるよう杖や手すり、歩行器などを借りる費用が補助される |
| 住宅改修 | 自宅に住み続けられるよう、段差の解消、手すりをつけるなどの改修を行った場合の費用が補助される |
住宅改修の限度額は介護度にかかわらず最大20万円です。
自己負担が1割の方の場合、改修工事に20万円かかると18万円が支給されます。
一度給付を受けると要介護度が3段階上がったり、引っ越ししたりしない限り、再申請できません。
例えば要支援1の状態に合わせて手すりをつけてしまうと、要介護1になった時に高さが合わず全額自己負担で再改修が必要になる可能性も。
そのため住宅改修はケアマネージャーと今後の計画を相談したうえで行いましょう。
実際にサービスを受ける流れを紹介します。
サービスを利用するためにはケアプランが必要です。
ケアプランとは、いつどのような介護予防サービスを、どういう頻度で利用するかを決める計画書。
要支援1の方のケアプランは地域包括支援センターに依頼すると、ケアマネージャーが利用者の心身の状態や希望などを考慮したうえで作成してくれます。
ケアマネージャーは介護の専門家ですが、利用者の状況をすべてを理解できるわけではありません。現状を正確に伝えるために、生活の不安や困り事は何か、どういったサービスを希望するかを具体的に伝えましょう。
サービス利用にかかる費用は、受けられるサービスの月の上限金額である「区分支給限度額」を越えるまでは1〜3割負担です。区分支給限度額は要介護度によって異なります。
要支援1の区分支給限度額とサービスが受けられる頻度の目安、サービス利用例を紹介します。
区分支給限度額とサービス利用頻度の目安は下記のとおりです。
| 要介護度 | 区分支給限度額(単位） | サービス利用頻度の目安 |
|---|---|---|
| 要支援1 | 5,032 | 訪問型サービス：週1回
通所型サービス：週1回 |
区分支給限度額とは1ヶ月に受けられる介護保険サービスの上限を単位数として設定しているものです。
1単位あたり10円の場合、5万320円までのサービスを1〜3割の自己負担で受けることができます。
1単位あたりの金額は地域によって異なるため、正確な金額は担当のケアマネージャーや地域包括センターで確認してください。
ほとんどの場合ケアマネージャーが区分支給限度額内でケアプランを立ててくれるため、限度額を越える心配はないでしょう。
ケアプラン例とかかる費用を具体的に紹介します。
【要支援1のAさんの特徴】
自宅で一人暮らしをしている。ほとんど問題なく生活できるが、歩行や立ち上がり時にふらつきがあり、入浴や掃除、買い物に一部支援が必要なため、週に1回ホームヘルパーによるサポートを受けている。
またこれ以上足腰の状態が悪くならないように、週に1回通所リハビリテーションも利用している。
【Aさん（1割負担）のケアプラン例】
| 利用サービス | 利用頻度 | 利用回数/月 | 金額/回 | 金額/月 |
| 訪問看護 | 週1回 | 4回 | 4,520円 | 18,080円 |
| 通所リハビリテーション | 週1回 | 4回 | 定額 | 25,220円 |
| 合計 | 43,300円 | |||
| 自己負担（1割） | 4,330円 |
参考：介護サービス情報公開システム 介護サービス概算料金の試算
なお利用サービスの金額は自治体によって異なるため、詳しい金額はケアマネージャーや地域の窓口で確認しましょう。
関連記事：介護老人福祉施設とは？入所方法や費用、メリットデメリットを解説！
デイサービス（通所介護）は要介護者に対して施設で食事、入浴、排泄など日常生活の介護や豊富なレクリエーションを提供するサービスです。
「友達がデイサービスを利用していて楽しそう」「自宅にこもりきりになってしまうとボケてしまいそう」このような理由で利用を希望する方も多く見られます。
しかし基本的にデイサービスは要介護1〜5の方を対象としており、要支援1の方は利用できません。
少数の施設では全額自費負担であれば要支援1・2の方も利用できる場合もありますが、全額自費負担の場合1日8,000円以上かかることが多く、毎日の利用は現実的でないでしょう。
認知機能の低下防止や友達作りを目的にサービスを利用したい場合は、担当のケアマネージャーに相談して要支援1でも利用できる「介護保険外サービス」を探しましょう。
全額自己負担ですが安価で外出支援や旅行、レクリエーションなどのサービスを提供する事業所もあります。
要支援1は一部見守りや支援が必要ですが、日常生活の動作はほぼ自分でできる状態のため、介護予防サービスを利用すれば十分一人暮らしができます。
しかし一人暮らしをするリスクがないというわけではありません。
要支援1の方が一人暮らしをする際のリスクと入居可能な施設を紹介します。
関連記事：【老人性うつ】一人暮らしは要注意？特徴や発症・悪化を防ぐ方法とは
要支援1の方が一人暮らしをする際のリスクは下記のとおりです。
要介護度が進行したり、認知症が発生するリスクが高まったりすることもあるので、積極的に介護予防サービスを利用しましょう。
一人暮らしが難しくなった時に頼れる人や、入居する施設を検討しておくと安心です。
一人暮らしが不安な方は、老人ホームへ入居するのも一策です。
要支援1で入居可能な老人ホームは下記のとおりです。
老人ホームを利用する方には、介護を受けるためだけでなく、見守りやセカンドライフを目的とする方も少なくありません。
食事や買い物等日常生活のサポート、安否確認サービスがある施設に入居することで、リスクを防ぎ、もしもの場合に備えることができます。
またレクリエーションや旅行などに重きをおく施設もあり、多くの同年代の方とセカンドライフを楽しむことができるでしょう。
それぞれの施設の特徴は下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事：【表で解説】老人ホームの種類と違い！選び方のコツや費用を紹介！
この記事では要支援1で受けられるサービスや利用方法について紹介しました。
要支援1は日常生活の動作はほとんど自分で行える状態ですが、生活習慣を整える、病気・ケガ・認知症のリスクを防ぐ、心身機能のリハビリを行うなど、状態の予防や改善を行うことが重要です。
いきいきとした生活を続けるためにも、積極的に適切なサービスの利用を検討しましょう。
【要支援1で受けられる介護予防サービス】
■自宅で受けられる介護予防サービス
■施設への通所・宿泊で受けられるの介護予防サービス
■その他の介護予防サービス
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関連記事：大阪府の費用相場より安い介護付有料老人ホーム9選！年金だけで入居できる？
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監修者
花尾 奏一 (はなお そういち)
介護主任、講師
＜資格＞
介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
＜略歴＞
有料老人ホームにて10年間介護主任を経験し、その後「イキイキ介護スクール」に異動し講師として6年間勤める。現在は介護福祉士実務者研修や介護職員初任者研修の講師として活動しているかたわら、スーパー・コート社内で行われる介護技術認定試験（ケアマイスター制度）の問題作成や試験官も務めている。
