コラム
「老人ホーム入居を考えているけど種類がたくさんあってよくわからない。」
「自分や家族の生活スタイルに適した施設を選びたい。」
このようにお考えの方はいませんか?
老人ホームを選択するときは種類を理解した上で自分に合った施設を探すのが重要です。
一概に「老人ホーム」といっても種類はさまざまで、入居の目的や条件が違えば最適な施設は異なるからです。
この記事では老人ホームの種類と特徴、選び方のコツを紹介します。
費用や年金のみで入れるか等も紹介しますので最後までご覧くださいね。
目次
自分に最適な老人ホームを選択するためのコツは3つあります。
1つずつ紹介します。
老人ホームは公的な団体が管理をする施設と民間企業が管理をする施設に分かれ、それぞれいくつかの種類があります。
施設を選択する時は大まかな特性を理解すると選択肢を絞りやすいです。
地方自治体や社会福祉法人が運営する老人ホームには、国から補助が出る分安く利用できるという特性があります。
安価で利用可能なため人気が高く、なかなか入れない可能性が高いでしょう。
民間の企業が管理する老人ホームは費用が公的施設よりも高い場合がほとんどです。
その分各施設ごとの特色が出やすい、サービスが充実しているなどの特徴があり、ニーズとのマッチ次第で満足度高く利用できます。
自分に合った老人ホームを選ぶために必要なサービスや譲れない条件を整理しましょう。
老人ホームを利用するために使える費用の予算を組みましょう。
あらかじめ費用を把握しないと後から苦しくなってしまいます。
老人ホームの入居に必要な費用は施設の種類によってさまざまですので、費用を理解し長い目で見た予算を組むのが大切です。
関連記事:大阪府の費用相場より安い介護付有料老人ホーム9選!年金だけで入居できる?
老人ホームには介護や医療サービスが完備された「日常的に介護が必須の方向けの施設」と、自由度が高く見守りがメインの「自立した方向けの施設」があります。
自分にはどちらの施設が最適なのか考えておきましょう。
また自立した方向けの施設を選んだ場合、後に介護が必要な状態になったらどうするかを考えておくのが大切です。
認知症の診断を受けた方が入居できるかどうかは施設の種類によって異なります。
同じ介護度の場合でも、必要な設備やサービスは認知症かどうかによって異なるからです。
例えば設備面であれば、外に出られないような工夫が施してある建物が必須。
あらかじめ認知症の方の受け入れができる施設か確認しましょう。
設備やサービスは施設によって多種多様ですので、譲れない条件や妥協できる条件をまとめておきましょう。確認しておきたい項目の例はこちらです。
「どうしても自分では決められない」そんな方は相談窓口を利用してみましょう。
専門家がアドバイスや情報提供をしてくれると安心ですね。
相談窓口は大きく分けて4つあります。
地域包括支援センターは介護・医療・保健等、多面的な視点でサポートしてくれる窓口です。
全国5000箇所以上に設置されていて地域の介護施設の情報提供はもちろん、日々の生活に関する相談にものってくれます。
民間の紹介センターは高齢者の施設探し専門の窓口です。希望する条件に合った施設の紹介や見学の同行、契約のサポートをしてくれます。また、入居後もフォローしてくれるので安心して利用できますね。
ケアマネージャーは利用者のケアプラン作成や施設との仲介を行ってくれる有資格の専門家です。要介護認定を受けた方が利用できます。
利用者の性格やライフスタイルをよく知っているため最適な施設を提案しやすい一方で、自分が所属する組織の老人ホームを優先して提案する可能性もあります。
ケアマネージャーの所属組織を確認し他の老人ホームの紹介も依頼してみましょう。
高齢者総合相談センターは電話で高齢者本人や家族が介護や医療などについての悩みを相談できる窓口です。電話で「♯0808」をダイヤルすると窓口に繋がり、無料で利用できます。(通話料は除く)
運営主体は都道府県ですので利害関係なく平等な情報を得ることができるでしょう。
関連記事:高級老人ホームのおすすめ4選!費用相場や特徴も紹介
老人ホームの種類と特徴を表にしました。
また各施設がどのような方にオススメかを紹介します。
管理主体 | 民間 |
---|---|
年齢 | 60歳以上 |
介護度 | 自立〜軽度の要支援 |
認知症 | 施設により異なる |
看取り | 不可 |
サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー仕様の高齢者向け賃貸マンションです。
「サ高住」とも呼ばれ国交省が管轄しています。
介護サービスは提供しておらず、安否確認や日常生活の相談がメインです。
自立した生活ができ、自由に暮らしたい方にオススメです。
管理主体 | 民間 |
年齢 | 60歳以上(施設による) |
介護度 | 要介護1〜要介護5(施設による) |
認知症 | 受け入れ可 |
看取り | 施設により異なる |
介護付き有料老人ホームは、専門のスタッフによる24時間体制の介護サービスを提供する施設です。
介護の必要がない方でも介護費用が発生する為、基本的には要介護状態の人を対象にしています。
施設それぞれで入居条件やサービス内容に特色があり、自分に合った施設を選べます。
日々の暮らしの中で介護が必要な方にオススメです。
管理主体 | 民間 |
---|---|
年齢 | 60歳以上(施設により異なる) |
介護度 | 自立〜(要介護は施設による) |
認知症 | 施設により異なる |
看取り | 施設により異なる |
住宅型有料老人ホームは、食事や買い物等日常生活のサポート、安否確認サービスがある施設です。
自立した方が対象のサービス付き高齢者向け住宅と特徴が似ていますが、住宅型有料老人ホームは要介護の方でも入居可能です。
介護サービスはないため、将来介護が必要になった場合は外部のサービスを利用して介護を補う必要がある点は覚えておきましょう。
施設数が多いので、さまざまな特色の施設から自分に合ったものを選べます。
「介護度は低いけれど、日々の生活に不安がある」といった方にオススメです。
管理主体 | 民間 |
---|---|
年齢 | 60歳以上(施設により異なる) |
介護度 | 自立〜要支援(施設により異なる) |
認知症 | 受け入れ不可 |
看取り | 不可 |
自立型有料老人ホームは、自立した高齢者を対象に食事、買い物、掃除等の日常生活のサポートを行う施設です。
住宅型有料老人ホームより更に自立した方を対象としている為、介護サービスはなく日常的な介護が必要となった場合は退去する必要があります。
趣味のサークルやイベントなど娯楽サービスが豊富な魅力があります。
健康でアクティブな老後を送りたい方にオススメです。
なお全国におよそ16件しかなく選択肢がかなり少ないので、同じく自立した高齢者の方を対象としたサービス付き高齢者向け住宅も合わせて検討しましょう。
関連記事:有料老人ホームとは?種類・費用・入居条件についてわかりやすく解説
管理主体 | 民間 |
年齢 | 65歳以上 |
介護度 | 要支援2〜要介護5 |
認知症 | 受け入れ可 |
看取り | 可 |
その他条件 | 認知症と診断されている |
グループホームは、認知症の診断を受けた方専門の施設です。
認知症の進行を穏やかにすることが目的で、24時間体制で専門のスタッフのサポートを受けられます。
医療サービスはないため、医療ケアが必要になった場合は退去しなければなりません。
相部屋である場合が多いので認知症でも他の方と関わりを持ちたい方にオススメです。
管理主体 | 公的 |
年齢 | 65歳以上 |
介護度 | 要介護3〜要介護5 |
認知症 | 軽度のみ受け入れ可 |
看取り | 可 |
特別養護老人ホームは、高い介護度の方向けの施設です。「特養」とも呼ばれます。
国からの補助があることに加え、介護保険で費用をまかなえるため安く利用できます。
2015年から「利用のための条件」が厳しくなり待機者数は減りましたが、まだまだ人気が高く入るのが難しいです。しかし一度入居すると生涯利用可能です。
安い老人ホームを探している方、要介護度が高く身の回りのお世話が必要な方にオススメします。
管理主体 | 公的 |
年齢 | 65歳以上 |
介護度 | 要介護1〜要介護5 |
認知症 | 受け入れ可 |
看取り | 不可 |
その他条件 | 日常生活に戻るリハビリが必要 |
介護老人保健施設は、交通事故や長期入院後に自宅で生活する為のリハビリを行う施設です。
「老健」とも呼ばれ厚生労働省の管轄です。
原則として利用期間は3〜6ヶ月ですが、健康状態に応じて対応してくれます。
長期入院後の運動能力の低下で日々の生活に不安がある方にオススメです。
関連記事:介護老人福祉施設とは?入所方法や費用、メリットデメリットを解説!
管理主体 | 公的 |
年齢 | 60歳以上(夫婦どちらかでも可) |
介護度 | 自立〜要支援 |
認知症 | 受け入れ不可 |
看取り | 不可 |
その他条件 | 自立した生活が可能 |
ケアハウスは、外出のサポートや食事、掃除等の生活支援がメインの自立した高齢者向けの施設です。
医療機関と連携しているため緊急の場合も安心ができます。
介護サービス提供はないので、将来介護が必要になると外部サービスの利用が必要です。
日常の暮らしの中で介護が必要な場合は退去を求められることもあります。
身体介護は必要ないけれど身寄りがなく日々の生活に不安がある方にオススメです。
管理主体 | 公的 |
年齢 | 65歳以上 |
介護度 | 要介護1〜要介護5 |
認知症 | 受け入れ可 |
看取り | 可 |
その他条件 | 日常的な医療ケアが必要 |
介護医療院は、日々の介護と医療ケアが行える施設です。
病院と介護施設の特徴を併せ持ち長期療養や看取りも可能ですが、元気になったら退所する必要があります。
日々の暮らしの中での介護と医療ケアのどちらも必要な方にオススメです。
老人ホームに必要な費用は施設の種類により大きく異なります。
料金システムと種類別の費用一覧を紹介します。
関連記事:老人ホームの入居費用はいくら?タイプ別の費用相場と払えない時の対処法
老人ホームの入居には「入居一時金」と「月額使用料」の2つの費用が必要です。
入居一時金:入居時に一定期間の使用料をあらかじめ払っておく初期費用。
使用料金の前払いであるため多く支払うと毎月支払う料金が安くなる。
月額使用料:老人ホームで暮らすために毎月支払いが必要な費用。
介護サービス費や水道光熱費、食費など
入居一時金と月額使用料以外にも医療費や日常生活費などが毎月必要になるので、余裕をもった予算を組みましょう。
老人ホームの種類と費用の相場を一覧にまとめました。
なお自立型有料老人ホームは全国に約16件しか存在せず、個々の施設のサービス内容により差が大きいため今回は紹介を省きます。
施設の種類 | 入居一時金 | 月額使用料 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 0円 〜 数十万円 | 10万円 〜 30万円 |
介護付き有料老人ホーム | 0円 〜 数千万円 | 15万円 〜 30万円 |
住宅型有料老人ホーム | 0円 〜 数千万円 | 10万円 〜 30万円 |
グループホーム | 0円 〜 数十万円 | 15万円 〜 20万円 |
特別養護老人ホーム | 0円 | 5万円 〜 15万円 |
介護老人保健施設 | 0円 | 8万円 〜 15万円 |
ケアハウス | 数十万円 〜 数百万円 | 10万円 〜 30万円 |
介護医療院 | 0円 | 8万円 〜 15万円 |
関連記事:高級老人ホームのおすすめ4選!費用相場や特徴も紹介
老人ホームに関するよくある質問を紹介します。
施設を選ぶにあたっての参考にしてください。
介護施設は介護サービスを提供するすべての施設を指します。
介護施設のタイプはさまざまで在宅・入所・通所の違いや、介護保険適用かなどが異なります。
一方で老人ホームは介護施設のひとつで高齢者向けに住まいを提供する施設のことです。
介護サービスの有無は施設それぞれで異なるので確認が必要です。
年金額にもよりますが、厚生年金に加入する方の多くの方が年金だけで老人ホームに入れます。立地やサービスによっては安い施設もたくさんあるため、条件を絞れば入居先を見つけられるでしょう。
ただし年金だけではギリギリの場合が多いため、節約の工夫が必要です。
国民年金のみの受給の方は、民間施設の利用は困難です。
最も料金が安い特別養護老人ホームが選択肢になるでしょう。
生活保護を受けている方でも老人ホームに入ることは可能です。
最も費用が安価な特別養護老人ホームが選択肢ですが、特養はとても人気で入居待ちになる可能性が高いです。
特養に空きがない時は有料老人ホームを検討しましょう。
有料老人ホームは費用が高い場合が多いですが、生活保護者を積極的に受け入れる安い施設もあります。
介護保険施設とは介護保険サービスを利用して入居が可能な施設です。
要介護認定を受けた方が対象で、介護保険の財源で運営するため安く利用できます。
介護保険施設はこちらの3つの施設を指します。
介護付き有料老人ホームをお探しの際には是非「スーパー・コート」をご検討ください。
「スーパー・コート」は専門のスタッフが24時間体制で介護を行う介護付有料老人ホームです。
「スーパー・コート」の母体は顧客満足度調査で何度も1位を獲得しているホテルチェーンの「スーパーホテル」。
ホテルが運営する施設ならではの「おもてなしの介護」を提供しておりますので、入居者様は安心で心地良い生活を送っていただけます。
まだまだある「スーパー・コート」の魅力はこちらです。
介護付有料老人ホーム「スーパー・コート」で安全でいきいきとした毎日をお過ごしください。
監修者
花尾 奏一 (はなお そういち)
介護主任、講師
<資格>
介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
<略歴>
有料老人ホームにて10年間介護主任を経験し、その後「イキイキ介護スクール」に異動し講師として6年間勤める。現在は介護福祉士実務者研修や介護職員初任者研修の講師として活動しているかたわら、スーパー・コート社内で行われる介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成や試験官も務めている。