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パーキンソン病とチョコレートの関係|病気の予防に活用したい食べ物

パーキンソン病とチョコレートの関係|病気の予防に活用したい食べ物

「チョコレートってパーキンソン病によいの?それとも悪いの?」などの疑問を抱いていませんか。
どのように食べればよいか分からず悩んでいる方もいるでしょう。過去の研究をもとに考えると、チョコレートはパーキンソン病の予防によい影響を与える可能性がある食べ物といえます。
ここでは、チョコレートとパーキンソン病の関係を解説するとともに、パーキンソン病の予防に活用したい食べ物などを紹介しています。
チョコレートの食べ方などで悩んでいる方は参考にしてください。

パーキンソン病とは

パーキンソン病は、体の動きに障害が現れる病気です。中脳にあるドーパミン神経細胞が減少し、生成されるドーパミンが不足することで発症します。ドーパミンは、運動機能の調整や意欲、幸福感、学習といった脳機能に関わる神経伝達物質です。
したがって、この神経伝達物質が不足すると、運動機能を調整する脳の指令が筋肉にうまく伝わらず、さまざまな症状が現れます。主な運動症状は次のとおりです。

【運動症状】

  • 安静時振戦:安静時にふるえる
  • 動作緩慢:動作が遅くなる
  • 筋強剛:筋肉がこわばる
  • 姿勢反射障害:体のバランスを保ちにくくなる

これらのほか、精神症状、自律神経障害、感覚障害、睡眠障害などの非運動症状も現れます。

現在のところ、ドーパミン神経が減少する正確な理由は分かっていません。
加齢や遺伝などの要因で、αシヌクレインというタンパク質が神経細胞の中に凝縮、沈着することが関わっていると考えられています。

パーキンソン病にチョコレートがよくない?

過去に行われた研究で、適量のカフェイン摂取はパーキンソン病の予防につながる可能性が示されています。この結果を受けて順天堂大学が行った研究では、次の点が明らかになりました。

【順天堂大学の研究で分かったこと】

  • パーキンソン病の方は健康な方に比べて血中のカフェイン濃度が低く、カフェイン代謝産物の量が少ない
  • パーキンソン病の方はカフェインを摂取しても血中濃度が上がりにくい

カフェインは、神経保護作用などが報告されている物質です。同大学は、カフェインの分解にかかわる遺伝子などを調べた結果、パーキンソン病の方はカフェインの吸収力低下により神経保護作用を得にくくなっていると推察しています。

したがって、カフェインの摂取、投与は、パーキンソン病の予防につながる可能性があります。
チョコレートはカフェインを豊富に含む食べ物なので、パーキンソン病の予防に活用したい食べ物といえるかもしれません。

ただし、パーキンソン病の方がカフェインを摂取する場合は、カフェインを吸収しにくいため、摂取方法などを工夫する必要があります。また、摂りすぎにも注意が必要です。

(参考:順天堂大学

パーキンソン病の原因になり得る食べ物

現在のところ、これを食べるとパーキンソン病を発症するといった食べ物は分かっていません。病気の原因も分かっていないためです。ここからは、過去の研究などによって避けるほうがよいといわれている食べ物を紹介します。

動物性脂肪を多く含む食べ物

動物性脂肪を多く含む食べ物は避けるほうがよいといわれています。動物性脂肪を摂りすぎると、ドーパミン受容体の機能が低下する恐れがあるためです。

また、過去に行われた研究では、動物性脂肪に多く含まれているアラキドン酸とコレステロールの摂取量が多いと、パーキンソン病のリスクが高くなる可能性が示されています。

(参考:愛媛大学医学部

農薬が残留している食べ物

農薬が残留している食べ物も避けるほうがよいといわれています。過去の調査で、農薬暴露とパーキンソン病の関連が示唆されているためです。ただ、ドイツ連邦リスク評価研究所は、両者の関係を「関連はあるが因果関係はないものと判断する」と発表しています。

(参考:食品安全委員会

低脂肪乳製品

低脂肪乳製品も注意したい食べ物といわれることがあります。過去に行われた研究で、低脂肪乳製品を1日あたり少なくとも3食分摂取した人と低脂肪乳製品をまったく摂取しなかった人を比較したところ、前者のほうがパーキンソン病を発症するリスクが高かったためです。低脂肪乳製品の継続的な摂りすぎには注意が必要といえるかもしれません。

(参考:National Library of Medicine)

パーキンソン病の予防につながる食べ物

残念ながら、パーキンソン病を確実に予防できる食べ物は見つかっていませんが、予防効果を期待できるものとして、コーヒーやチョコレートなどのカフェインを含む食べ物があげられます。また、ドーパミンのもとになる成分を含む大豆製品や卵なども、一部では予防に役立つ可能性があるといわれています。

ムクナ豆(八升豆)も注目の食べ物といえるでしょう。ドーパミンの前駆物質であるL-ドパを豊富に含むため、一時的な症状の予防につながる可能性があります。以上のほかでは、食物繊維を豊富に含む食べ物も注目を集めています。パーキンソン病と腸の関係性についての研究結果が複数報告されているためです。

(参考:パーキンソン病と腸内細菌

関連記事:パーキンソン病にいい食べ物と摂りすぎに気をつけたい食べ物

チョコレートはパーキンソン病と相性のよい食べ物

ここでは、パーキンソン病とチョコレートの関係などを解説しました。カフェインの摂取は、パーキンソン病の予防につながる可能性があると考えられています。
カフェインを豊富に含むチョコレートは、パーキンソン病と相性のよい食べ物といえるでしょう。ただし、脂質や糖質を多く含むため、食べすぎには注意が必要です。食べ過ぎると、肥満などを招く恐れがあります。生活に取り入れたい方は、自身にとっての適量を把握しておきましょう。

 

監修者

監修者の写真

花尾 奏一 (はなお そういち)

介護主任、講師

<資格>

介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士

<略歴>

有料老人ホームにて10年間介護主任を経験し、その後「イキイキ介護スクール」に異動し講師として6年間勤める。現在は介護福祉士実務者研修や介護職員初任者研修の講師として活動しているかたわら、スーパー・コート社内で行われる介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成や試験官も務めている。