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コラム
介護職の外国人材受け入れを拡大!積極的な取り組みが人材不足の鍵
政府、介護職の外国人材受け入れを拡大!積極的な取り組みが鍵となる
深刻な人手不足、その背景と推計
日本の介護業界は、深刻な人手不足に直面しています。
厚生労働省によると、2025年には介護職員が約69万人も不足すると推計されており、これは全介護職員の約3割に相当します。
この人手不足は、少子高齢化による高齢者数の増加と、それに伴う介護需要の急増が主な背景にあります。
高齢者数の増加
総務省の推計によると、日本の65歳以上人口は、2023年には約3820万人に達し、今後も増加を続けて2040年には約4000万人に達すると予測されています。
特に、85歳以上の高齢者は、2025年には約400万人に達し、2010年と比べて約2倍になる見込みです。
介護需要の急増
高齢者数の増加に伴い、介護サービスの需要も急増しています。
厚生労働省によると、2025年には要介護者数は約471万人に達し、2010年と比べて約170万人増加すると推計されています。
特に、認知症高齢者は、2025年には約160万人に達し、2010年と比べて約30万人増加すると見込まれています。
介護職員の不足
一方、介護職員の数は、2023年には約215万人に達していますが、2025年には約146万人まで減少すると推計されています。
これは、高齢者数の増加と介護需要の急増に追いついていないことを意味します。
人手不足の影響
介護職員の人手不足は、介護サービスの質低下や利用者の受け入れ制限など、様々な問題を引き起こしています。
具体的には、以下のような影響が懸念されています。
- 介護サービスの質低下
- 介護職員の負担増加によるケアの質低下
- 利用者への十分な対応時間の確保が困難
- 事故やトラブルのリスク増加
- 利用者の受け入れ制限
- 新規の利用者受け入れが困難
- 待機リストの増加
- 利用者の希望に沿ったサービス提供が困難
- 介護事業者の経営悪化
- 人件費の高騰による経営悪化
- 廃業や事業縮小の増加
- 介護サービスの供給量減少
日本の人手不足における外国人材の役割と課題
日本の人手不足問題は、少子高齢化や労働人口減少といった構造的な要因によって深刻化しており、様々な業界で慢性化しています。
その解決策として近年注目を集めているのが、外国人材の受け入れ拡大です。
外国人材受け入れが注目される理由
外国人材受け入れが注目される理由は、大きく3つあります。
労働人口の確保
少子高齢化や労働人口減少によって、国内で働く人が不足しています。
外国人材を受け入れることで、労働人口を確保し、人手不足を解消することが期待できます。
多様性の促進
外国人材は、異なる文化や価値観を持ち、日本の社会に新たな視点を提供することができます。
多様な人材が働くことで、職場や地域社会の活性化が期待できます。
経済活性化
外国人材の受け入れは、新たなビジネスチャンスの創出や経済活性化にもつながることが期待されています。
外国人材受け入れの課題
一方で、外国人材受け入れには様々な課題も存在します。
日本語能力
介護や医療といった多くの職種では、日本語能力が必要となります。
日本語能力試験N5程度以上の日本語能力を有する外国人材が不足しているのが現状です。
文化・習慣の違い
異なる文化や習慣を持つ外国人材が働く場合、コミュニケーションや価値観の違いから、誤解や摩擦が生じる可能性があります。
制度・環境面の整備
外国人材が安心して働き、生活できるよう、制度や環境面の整備が必要です。
具体的には、住居や教育、医療といった生活基盤の整備、差別やハラスメントの防止策の強化などが求められます。
政府の取り組み
政府は、外国人材の受け入れ拡大に向け、様々な取り組みを進めています。
特定技能制度
特定技能制度は、人材不足が深刻な分野において、一定の技能を有する外国人を5年間受け入れる制度です。
介護職は特定技能1号の対象分野であり、介護分野の特定技能評価試験に合格した外国人は、日本語能力試験N4程度に合格すれば、特定技能「介護」の在留資格で介護職として働くことができます。
技能実習制度
技能実習制度は、開発途上国の若者を技能実習生として受け入れ、日本の企業等で技能を習得させる制度です。
介護職は技能実習2号の対象職種であり、技能実習生として2年間の実務経験を積んだ後、日本語能力試験N5程度に合格すれば、特定技能「介護」の在留資格に移行することができます。
日本語教育の充実
政府は、日本語教育の充実にも取り組んでいます。
具体的には、日本語教育機関の整備や日本語教育支援員の育成などを進めています。
企業の取り組み
外国人材を受け入れる企業は、以下の点に配慮する必要があります。
日本語教育・研修
外国人材が職務に必要な日本語能力を習得できるよう、日本語教育や研修を提供する必要があります。
文化・習慣理解の促進
日本文化や習慣に関する研修を実施したり、日本人社員との交流機会を設けたりすることで、文化・習慣の違いを理解し、円滑なコミュニケーションを図る必要があります。
生活面のサポート
住居探しや行政手続き、医療機関へのアクセスといった生活面でのサポートを提供する必要があります。
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監修者
花尾 奏一 (はなお そういち)
介護主任、講師
<資格>
介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士
<略歴>
有料老人ホームにて10年間介護主任を経験し、その後「イキイキ介護スクール」に異動し講師として6年間勤める。現在は介護福祉士実務者研修や介護職員初任者研修の講師として活動しているかたわら、スーパー・コート社内で行われる介護技術認定試験(ケアマイスター制度)の問題作成や試験官も務めている。