「聞き取り困難症」当事者たちが講演会
今朝のテレビで12日に開かれた大阪市での講演会の報道がありました。
聴力は正常でも雑音が多い場所などでは会話の内容を聞き取ることができない症状は「APD=聴覚情報処理障害」や「LiD=聞き取り困難症」と呼ばれ、症状に悩む人が増えているとされています。
この症状を広く知ってもらおうと講演会が開かれたそうです。
番組では三重県の40代の男性が居酒屋などの飲食店を利用する際はさまざまな音が同じくらいの音量で塊となって聞こえるため、会話の内容を聞き取ることが難しいなどと打ち明けていました。そのうえで、「話を聞いていない」と指摘されることが多いという現状も話されていました。
また、兵庫県の30代の女性は日常生活ではノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを使って会話を聞き取りやすくしているほか、職場では名前を呼んでもらってから話を始めてもらうなどの配慮をお願いしていることを紹介していました。
当事者でつくる団体の代表は、「当事者が感じる生きづらさは十分に知られていません。症状に困っていても周囲に言いだせない人は皆さんの隣にもいるかもしれないということを知って欲しい」と話していました。
じつは私も突発性難聴に罹患して左耳の可聴音域の上半分が失われてしまい、左耳ではドランのハイハットの音などの高い音が聞こえません。上半分の音域が聞こえなくなったことに加えて深夜のテレビの砂嵐のような雑音が常に聞こえています。
突発性難聴になった直後、当時の職場の同僚には症状を説明しなかったのですが、「最近、名前を呼んでも聞こえないことが増えました」と言われることが多くなったので「左側から呼んでもらった時は聞こえないときがあると思います」と上司や同僚に伝えました。
その後、在宅介護ステーションせいりょうに勤務となったのですが以前の職場同様に業務にあたることができています。
このマークをご存じでしょうか?
このマークは、聴覚障害者が「私は耳が不自由です」と意思表示するものです。
聴覚障害者は見た目は外観からは普通の人と変わりません。そのため突然声を掛けられたりしても分からなかったりします。
そのような事では困りますので、昭和50年に制定されましたが、まだあまり普及していないのが現状のようです。
「当事者が感じる生きづらさは十分に知られていません。症状に困っていても周囲に言いだせない人は皆さんの隣にもいるかもしれないということを知って欲しい」
団体代表のこの言葉は聞き取り困難症だけに限らず、社会的弱者や障がい者やマイノリティの方々すべてに通ずることだと感じます。
そして、私たち介護保険サービスでの介護職は主に高齢者の方への支援を行っていますが、この団体代表の想いを聞き取り困難症だけに限らず実践できるように努めるべきだと思いました。
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