こんにちは!
今回は「③大脳皮質基底核変性症」についてとなります!
ご覧頂ければと思います!
大脳皮質基底核変性症(たいのうひしつきていかくへんせいしょう、
Corticobasal Syndrome: CBS)は、神経変性疾患の一つで、
大脳皮質と基底核という脳の部分が障害を受ける病気です。
この疾患は、特に運動機能や認知機能に影響を与え、進行性であるため、
症状が徐々に悪化していきます。
大脳皮質基底核変性症は、しばしば他の神経変性疾患
(例えば、パーキンソン病や進行性核状性麻痺)と症状が似ているため、
診断が難しいことがあります。
また、タウタンパク質が脳内に異常に蓄積することがこの疾患の特徴です。
主な症状
大脳皮質基底核変性症の症状は個人差が大きいですが、以下の症状が一般的です。
1. 運動症状
- 片側の手足の不随意運動:最初は片側の手足に不自由さが現れ、その後、両側に広がることがあります。これにより、動作がぎこちなくなり、手足を自由に使うことが困難になります。
- 筋肉の硬直(筋固縮):片側の腕や足が固くなり、動きが制限されます。特に手足が硬直するため、物を握ることが困難になります。
- 運動の遅延(無動):動作が遅くなり、動き始めるのに時間がかかることがあります。また、動作を止めるのが難しくなることもあります。
- 歩行の異常:歩行が不安定になり、足を引きずるように歩くことがあります。また、立ち上がりにくさや転倒のリスクも増します。
2. 認知機能の障害
- 記憶障害:新しい情報を覚えたり思い出したりすることが難しくなります。
- 注意力の低下:集中力が続かなくなり、複雑なタスクをこなすのが難しくなります。
- 言語障害:言葉を思い出すのが難しくなる、または話し方が不明瞭になることがあります。
- 視覚的認識の障害:物や人物を認識する能力が低下し、空間的な判断も困難になることがあります。
3. 運動性の異常
- 身体の不均衡:体の動きに非対称性が現れ、一部の筋肉が異常に緊張するため、特定の動作がしづらくなることがあります。
- ジストニア(異常な筋肉の収縮):筋肉が不随意に収縮し、特定の姿勢や動作が固定されることがあります。これにより、身体が奇妙な姿勢を取ることもあります。
4. 情動・精神症状
- 抑うつや不安:精神的な症状が見られることがあります。特に認知機能の低下とともに抑うつ症状が現れることが多いです。
- 情動の不安定:感情の変化が急激で、興奮や混乱を引き起こすこともあります。
原因
大脳皮質基底核変性症の原因は、まだ完全には解明されていませんが、
タウタンパク質が異常に蓄積されることが特徴です。
この異常なタウタンパク質が脳内の神経細胞に蓄積し、
神経細胞が損傷を受け、最終的に死んでいきます。
タウタンパク質が蓄積する部位は、大脳皮質と基底核であり、
この部分は運動、認知、感情などに関与しているため、
これらの機能が障害されます。大脳皮質基底核変性症は、
通常、加齢と関連していますが、稀に遺伝的要因が関与している場合もあります。
診断
大脳皮質基底核変性症の診断は、臨床的な評価に基づいて行われます。
具体的には、以下の方法が用いられます:
- 病歴の聴取:患者や家族から症状の進行具合や特徴を聴取します。
- 神経学的評価:運動機能や反応を評価し、特に不随意運動や筋肉の硬直、歩行の異常などをチェックします。
- 画像検査(MRI、CT):MRIやCTスキャンを使用して、脳の萎縮を確認することがありますが、特異的な画像所見はなく、診断には役立たないこともあります。
- 神経心理学的テスト:認知機能を評価するために、記憶力、注意力、計画力などをテストします。
治療
大脳皮質基底核変性症には、現在のところ治癒方法はありませんが、
症状を和らげるための治療が行われます。
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薬物療法
- パーキンソン病の薬(レボドパ)を試すことがありますが、効果は限られており、あまり顕著な改善が見られないことが多いです。
- 抗うつ薬や抗精神病薬:精神的な症状に対して使われることがあります。
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リハビリテーション
- 理学療法や作業療法、言語療法が、運動機能や言語機能の維持に役立つことがあります。
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認知症対策
- 認知機能の低下が進行する場合、認知症の進行を遅らせるための支援や治療が行われます。
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生活支援
- 日常生活の支援や介護が重要になります。進行に合わせて、
- 食事や移動などのサポートが必要となることが多いです。
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